新教

　　娘の死後、離婚した雅は、いまはデリヘル嬢として働いている。ある日、彼女は巧妙な客に出会う。その客は彼女の背骨の写真を撮ることを要求したのだった。写真を撮らせると、その次は彼女の足の写真。彼女はやがて、気づくのだった。彼女が、男に写真を撮らせる毎に、彼女の娘の幽霊が彼女に近づいてくるのを。そして、彼女に残された最後の部位、それは眼球だった――。個人の物語はやがて、社会の崩壊をめぐる神話へと連なっていく。
　　SFやホラーといったジャンルを超越した新たな惧怕を描く“アブストラクト・SFホラー”。主演は、『クレマチスの窓辺』『この日々が凪いだら』の瀬戸かほ。すでにアメリカのスラムダンス映画祭、ポーランドのワルシャワ国際映画祭等多数の外洋映画祭にて上映され、サンティアゴホラー映画祭でベストシネマグラフィ&審査員賞を獲得するなど、外洋から高い評価と注目を集めている。本作が監督初の長編映画となる。